第四章 父の残した一つの段ボール箱

父の葬儀が終わり、僕を待っていたのは相続の手続きと、父が残した家と、遺品の後片付けでした。

僕には兄弟が居ません。父にはお兄さんが居ましたが、そのお兄さんも精神的に病を抱えており結婚することなく、父が亡くなる前に亡くなって居ました。難しい相続問題に巻き込まれる事無く相続の手続きは進んでいきました。

東京で行っていたアシスタントの仕事は、新人の漫画家さんの連載に人気が出なく、打ち切りになり無くなってしまいました。

そこで僕は父方の親戚のお世話になり、父の残したの遺品の後片付けと、相続の手続きに故郷に何度も戻ることになります。

父が生きている時から、特に僕の気を重くしていたのは、父の遺品でした。

父は物を捨てる事が出来ない人で、なんでも捨てずに家にため込んで居ました。その遺品は足の踏み場もない程に家を埋め尽くしており、それは正しくゴミ屋敷だったのです。

家の木は伸び放題、遺品は家の中、外にたくさん積まれており異様な雰囲気が立ち込めていて、近所でも評判になるほどでした。

廃車にしなければならない車は捨てられることなく、父の持って居る土地と、家に置きっぱなしになり、何台もそのままになって居ました。

僕にはこれを片付ける責任がある!

そう思い、後片付けに着手しました。そこで、後片付けに協力してくれた業者さんと出会うことになります。その業者さんは警察との繋がりもあり、後々になって出てくる父の遺品で起こる問題を内密に処理してくれました。

父の遺品で問題が浮上すると業者さんから電話が来ていました。

その一つが猟などで使われる散弾銃でした。父は散弾銃を、所持の許可が降りても居ないのに、家隠し持っていたそうです。業者さんは銃は壊して安全に廃棄したと話してきました。父が生きている時にそれを使わなくて本当に良かったと思っています。

他に問題になったのは、写真でした。家の何処かに隠されていた写真。

その写真の内容は僕には詳しく伝わることがありませんでしたが、警察が関わる深刻な内容だったようです。

ある日、僕の家に一個の段ボール箱が届きました。あて先は書かれておらず、僕は何だろうと不思議に思い開けようとしました。

所が、何故か箱に手をかけた瞬間「これは開けてはいけない物だ」っと僕の中で直感的に何かを感じとり、手が止まりまし。

すると暫くして、業者さんから電話が掛かってきて、箱は開けずにお寺などでお焚き上げしてもらって欲しいっと言われました。僕が聞いたのは、その写真は警察に渡されたそうですが、もう父は亡くなったので、これ以上問題にはしないと言う内容だけでした。

もし、その段ボール箱を開けて居たら、僕は立ち直れないほどショックを受けていたかもしれません。

その後、父方の親戚にお世話になる度に、父が普段何をしていたのかが親戚から語られました。その内容は、僕に一度も怒った事が無い優しい父からは想像も付かない内容ばかりでした。

生前父からは警察相手にやったやんちゃ話を良く聞かされては居ましたが、僕の中では優しい父のまま記憶が終わって良かったと思っています。

父と母を亡くした僕は、確実に精神的に追い込まれていました。その後、僕は不思議な方向へ歩き出してしまうのでした。

第五章 見えないの世界への探求